はじめに
クラウドコンピューティングは、オンプレミスなどの従来型のインフラには無いメリットが多くあります。
例えば、AWSが公開している「クラウドの6つの強みとメリット」では、以下のようなメリットが挙げられています。
- 固定の償却コストを変動コストに転換
- スケールによる大きなコストメリット
- キャパシティ予測が不要に
- 速度と迅速性の向上
- データセンターの運用と保守への投資が不要に
- 分単位で世界中にデプロイ
それでは、従来インフラとの比較といった視点でAWSクラウドを考えてみます。
ダイナミックなインフラ構成
まず、必要に応じたタイミングでダイナミックに変更可能なインフラである、というのがクラウドの大きなメリットです。
従来のインフラ調達・構築では、先に固まった設計があり、今後必要となるであろうリソースを予め予測して、キャパシティプランニングを行うことが当然でした。
このため、初期費用は今後を見据えてある程度の予算をとっておく必要があり、さらにOSやバックアップ、HDD、RAIDなど一度決めてしまったものは変更がかなり難しいといったことから、ある意味でスタティックなハードウェアを所有することがインフラの世界でした。
固定的な状態のため、その時々のビジネスニーズと合わないといったことも起こります。
対してクラウドでは、締め日や期末、メディア広告などによるアクセスの増減、新サービスに伴うリソースの増加、これらを全てにダイナミックな対応が可能です。
「リソースは常に変動するもの」という前提のもとで、日中は10台のサーバを動かし、夜間や土日は2台にすることでコストを大幅に削減する、などということが可能です。
インフラは、固定的なハードウェアといった発想から、ダイナミックに変化するソフトウェア的リソース、というそもそもの考え方を変えていく必要があります。
全てのサービスにAPIがある
AWSではほぼ全てのサービスにAPIやSDKが用意されています。
これにより、利用者が自らリソースを追加したり、管理できるため、今までのようにインフラエンジニアが設計をしてサーバルームで構築といった作業を行う必要がなく、必要に応じたタイミングで利用を開始することができます。
さらに、リソースの増減や運用ルールなどをAPIを利用してプログラミングしておくことで、運用負荷を大きく削減することも可能です。
ネットワークやサーバ、ストレージ、各種サービスの構成構築を全てプログラムで行う、Infrastructure as Codeという方法で全て自動化することも可能となります。
技術的習熟によるコスト削減
一説では、企業が所有するサーバの稼働率は15%〜20%と言われています。
集中的に利用されるサーバの利用率は高いかもしれませんが、トータルで押し並べて観ると実際に稼働している割合は低い水準となっています。
従来型のインフラでは、最初に構築したシステムを先払いで購入するため、リソースが余っていても高い利用率であっても同じ費用ですが、クラウドコンピューティングでは稼働率の低いサーバがあれば落としてしまうことも可能です。
つまり、いつでもインフラ構成のブラッシュアップができ、それによってコスト削減は後からでもできる、ということです。
AWSの各種技術やアーキテクチャに習熟していれば、処理性能やセキュリティ基準を考えて設計し、最小限のコストで必要十分なインフラとして機能させる、ということも可能になります。
まとめ
従来型インフラと比較してAWSクラウドのメリットを考えてみました。
全てのメリットに共通しているのは、ビジネスの状況やその時々の要件に合わせて、いつでもインフラリソースを変更し、コストを最適化することができる、ということです。
これによって、インフラ部門だけの部分最適化ではなく、ビジネス全体を最適化して「ビジネスを成長させるインフラ部門」を実現することができます。
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